木工作家

須田 二郎 (すだ じろう)

須田さんは以前きこりをしていたそうです。だから、森のことを考えて障害木を切り出して、それで木工製品を作っています。壊してしまう家の柱も、大工さんにもらい受けて作品にしています。「そんな姿勢がいいの。」と、先輩のスタイリスト西村千寿さんに紹介していただきました。
本当に世界の森林を保護することは急務だと情報としてはわかっていても、具体的にはなすすべの無いこの問題に、ひとすじの光が射したような気がしました。須田さんの作品を説明するときに少しでも森林の事を考えてもらえたら・・・(ちなみにお店で扱っているオリーブの製品もイタリアの実が付かなくなって伐採されたオリーブの木を使った物です。)
そして技術の習得方法も変わっています。なんでも、アメリカやオーストラリアの木工のHow Toが出ているホームページを見ながら学んだのだそうです。で、今ではアメリカン・ウッドターナー(AAW)の会員になっているのだそうです。その影響がでているのは生木を削って作るボウルです。削ってから乾かすので、その時に木が歪むのをある程度計算して作るのだそうです。この方法は世界的に今流行っていて、ヨーロッパでも取り入れる傾向にあるそうです。デザインはヨーロッパの伝統的な形を勉強して作っているそうですが、何故か和食器にもしっくり馴染みます。
取り扱い方もいたってシンプルで、使ったらぬるま湯で洗って、伏せておけば大丈夫だそうです。表面が白くなってきたらオリーブオイルをすり込めばまた元のとうりに使えるそうです。生活用品の原点のような須田さんの作品は、一本筋が通っている清々しさを使う人に伝えてくれます。


 

須田二郎 プロフィール
1957年 新潟県長岡市に生まれる
1980年 明星大学英文科卒業
  その後各地を放浪。いろいろな仕事をする。
1992年 神奈川県藤野町で百姓と山仕事を始める。
1998年 獣害で百姓をやめる。
  木工旋盤を買い独学を始める。
2001年 無垢里に作品を置いてもらったのをきっかけに
生活雑貨の店に品物を並べてもらうようになる。
2004年 AAW会員となり、作品に変化。
現在に至る。
 

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